11/5（金）広尾サラブレッド倶楽部の追加募集馬（1歳馬2頭、当歳馬4頭）の全容が公開されました。
既にSNSを中心に話題になっていますが、募集額に批判殺到です。血統や馬体や預託厩舎など、最も検討するべき項目はスルーされ、募集額の高さに注目が集まっています。
データ的には、安い馬よりも高い馬の方が勝ち上がり率が高いのは事実ですが、回収率となると一概に高額馬が良いとは言えません。リスクを伴います。
色々と思うところはありますが、気を取り直して募集馬の検討を行なっていきたいと思います。
※以下、募集馬の検討の記事になりますが、完全な個人的な主観を元に書いてますのでご了承ください。
ステラエージェントの21
販売総額 9,000万円 総口数 4000口
一口価格 22,500円牡 当歳 栗毛
2021.02.26生 浦河産父:Gun Runner
母:ステラエージェント
（母の父:More Than Ready）栗東矢作芳人厩舎予定
良質な雰囲気を放つ血統背景にも優れた持込馬は、ニュージーランドＴを圧勝したバスラットレオンと同様、当歳時から矢作調教師の眼に留まった期待の一頭。初仔ゆえにサイズはやや小ぶりだが、肩の出や首の使い方、硬さのない繋ぎなど、どのパーツも目を見張るものがあり、放牧地における抜群の動き、軽快なフットワークで走る姿からは日本の芝への適性も感じられる。性格は大人しくて扱いやすく、利口なタイプ。芝・ダート、そして距離と適応範囲の広さも魅力のひとつと言えそうで、クラシック戦線も視野に入れて大舞台を狙っていきたい。
4000口募集？！募集額9000万円？！
詳しい情報が出るまでは血統的に注目していました。皆さんもそうでしょう？出資したいと思える最大の要点は募集額だったと思います。しかし、完全に裏切られました。もうお手上げです。広尾サラブレッド倶楽部は多口数の募集なので、出資口数は本当に人それぞれだと思いますが、私は1/500で出資しています。4000口募集だと8口の出資となり価格は18万円。ドヒャーです。馬が良いとか血統が良いとかそういう問題ではありません。無理です。検討の余地もありません。
しかし予算に余力のある方にはお勧めしたいですね。物凄く高額ですが、それ以外は良いと思います。普通に良い馬です。
デプロマトウショウの21
販売総額 3,500万円 総口数 2000口
一口価格 17,500円牝 当歳 黒鹿毛
2021.02.03生 浦河産父:キズナ
母:デプロマトウショウ
（母の父:ファスリエフ）美浦栗田徹厩舎予定
次代のトップサイアーと名門ソシアルバターフライ系の融合に秘められた夢多き未来のスター候補生。恵まれた体高にスラリと伸びた脚がシルエットを美しく見せており、放牧地では他馬たちと友好関係を築けるコミュニケーションが上手なリーダー格。体の使い方が柔らかく、素軽い動きで日々元気に駆け回っている。性格は穏やかで人に対しても好意的。２歳戦から期待できる優秀な母系の特色をうまく継承しているようにも思われ、比較的早い時期からの始動も可能と見る。芝のマイルから中距離あたりで本領を発揮してくれそうだ。
まさにキズナの仔といったシルエットです。正直当歳馬の馬体を見る力は私にはありません。そもそも1歳馬の馬体ですらわからないのに当歳馬がわかるわけありません。ただ、馬体はかなり好みです。動きにも違和感はないですし、非常に良いと思います。
しかし、募集額はかなり高いですね。何でこんな価格設定なのでしょう？キズナの仔だからですか？
個人的に血統は魅力的ではないです。牝系に思い入れもなく、簡単に出資候補から外れる馬のはずでしたが、馬体など本馬の個体に興味を持ったので、この価格は残念です。
サンライズシェルの21
販売総額 3,000万円 総口数 2000口
一口価格 15,000円牡 当歳 栗毛
2021.02.06生 新ひだか産父:ヘニーヒューズ
母:サンライズシェル
（母の父:キンシャサノキセキ）栗東清水久詞厩舎予定
母は新馬戦でフィエールマンの僅差２着、その妹にレイパパレ、兄にシャイニングレイがいる魅惑の血統馬。恵まれた馬格、豊富な骨量などは父の特長を色濃く受け継いでおり、健康優良児という言葉がぴったりと当てはまる本馬。傾斜のある放牧地を息切れすることなくパワフルに駆け上がっていく姿が勇ましく、群れの中ではボス的存在として異彩を放っている。性格は好奇心が強く、人見知りしないタイプ。ダートの短距離からマイルあたりで快速を飛ばす活躍が容易に想像できる一方、その血統背景から二刀流の優れたパフォーマンスまで期待したい。
血統は申し分無いでしょう。オイスターチケットの牝系で祖母はシェルズレイ、伯母にレイパパレと活躍馬多数のファミリーです。父のヘニーヒューズはどちらかと言ったらダートですが、芝でも全然走りますし、この牝系との組合せに期待感が湧きます。
立ち姿を見ると既にトモが大迫力ですのでパワーは充分に備えられてるでしょう。少しのんびり歩いているような印象ですが、何とお顔の可愛いこと。牝馬かと思うくらい顔が可愛らしい。大河ドラマの子役に抜擢したいくらいです。
広尾サラブレッド倶楽部では珍しいノーザン系の繁殖ですが、聞くところによるとどうやらあの有名個人馬主ブロガーのぐり◯り君が繁殖牝馬として引退後のサンライズシェルを購入していて、その際に既にヘニーヒューズを受胎していたそうです。
そのヘニーヒューズの仔がどういった経緯で広尾サラブレッド倶楽部で募集になったかはわかりませんが、血統的な魅力は非常にあるので皆んなでぐり◯り君にお礼を言いましょう。ぐり◯り君ありがとう。
それはさておき、募集額の3000万円は適正価格だと思います。素晴らしい価格設定です。出資するにあたり、魅力的な要素が多く今後更に検討を煮詰めていきたいと思う1頭です。
ただ1点気になるのは、ぐり◯り君が購入した繁殖牝馬の仔がいきなり走るかというと出来過ぎな気もします。気にし過ぎかもしれませんが、気になります。出資の検討に必要ない事まで考えないといけない馬かなと個人的には思います。
サンドクイーンの21
販売総額 2,800万円 総口数 2000口
一口価格 14,000円牝 当歳 栗毛
2021.02.03生 浦河産父:ブリックスアンドモルタル
母:サンドクイーン
（母の父:ゴールドアリュール）栗東松永幹夫厩舎予定
セレクトセールにおいて早くもミリオンホースが誕生した父の初年度産駒であり、フェアリードールから日本で華々しく枝葉を広げる名牝系の流れを汲む本馬。母に似たボリューム満点の立派な体格が目を惹くだけではなく、放牧地で見せる動き出しの重厚感や踏み込みの力強さ、軸のブレない安定性のある走りにも好感。それでいてトップスピードにいち早く乗れるあたりは父譲りとも言えよう。性格は物怖じせず、しっかりと自己主張ができるタイプ。スピードが問われるダート競馬への適性の高さは疑いようがなく、文字通り“砂の女王”の座を勝ち取りたい。
母を見て驚いた。当ブログをご覧になってくださっている方はご存知でしょう。私が今年シルクサラブレッドクラブにて出資した馬の1頭がサンドクイーンの20なのです。
つい最近まで検討していた血統ですし、尚且つ申込みして出資しています。悪いわけがありません。母はフェアリードール系の後継繁殖です。父は半兄と替わり、ロードカナロアからブリックスアンドモルタルになりました。母との相性はわかりませんが、個人的にはこちらのブリックスアンドモルタルの仔に魅力を感じます。本音を言うと牡馬だったら最高だったのですが。まぁ牝馬でも良しとしましょう。
ブリックスアンドモルタルの日本での供用が決まり、社台スタリオンステーションに輸入されてきたというニュースを見て興味が湧き、現役時代の成績や血統などを調べました。基本的には米国生産の芝の中距離馬が種牡馬として日本で成功するのは厳しいです。近年は特に厳しくなっています。しかしブリックスアンドモルタルの父はジャイアンツコーズウェイでその父はストームキャットです。日本でも馴染みのあるスピード血統で、芝だけではなくダートでの活躍も期待できます。ブリックスアンドモルタルの魅力はこれだけでは無いですが、書き出すとキリがないので割愛します。
母サンドクイーンはフェアリードール系で父型はサンデーサイレンス系なのですが、馬名からもわかるようにダート色が強いです。ゴールドアリュールの血とブライアンズタイムの血が強く出ているのかもしれません。
はっきり言って適正はわかりませんが、芝でもダートでも行けそうですし、距離も幅広くこなせそうな気もします。
完全な贔屓目ですが、ブリックスアンドモルタルを高く評価しているので出資候補NO1はこの馬です。
馬体や動きはまだよくわかりませんが、目立って嫌うところはないですし、サンライズシェルの21と比べるとこちらの方が推進力のある歩様をしているように思えます。
募集額2800万円は安いと思います。許容範囲です。
同じ母の仔を別々のクラブで尚且つ年仔で出資するとなるとなかなかレアだと思います。前向きに検討したいと思います。
GemGemの20
販売総額 5,700万円 総口数 3000口
一口価格 19,000円牝 1歳 鹿毛
2020.02.06生 米国産父:American Pharoah
母:Gem Gem
（母の父:Tapit）栗東矢作芳人厩舎予定
米国キーンランド・セプテンバーセールにおいて、名伯楽・矢作芳人調教師がセレクトした良質外国産馬が登場。ミドルサイズのスマートな好馬体には牝馬らしい品格の良さが漂っており、身のこなしの柔らかさ、適度な繋ぎの長さからは日本の馬場への適応力の高さが窺い知れる。加えて性格の良さ、人に従順な点も頼もしく、父に米三冠馬、母の全姉に米ＧⅠ馬と血統面も申し分なし。ダートはもちろんのこと、芝にも挑戦したくなる三拍子そろった好素材と言えよう。目指す舞台はマイルから中距離あたり。偉大な先輩ダノンファラオに続きたい。
父アメリカンファラオで母父タピットという血統を見れば100%ダート馬と言っても過言ではないでしょう？個人的な意見ですが、私は100%ダート血統の牝馬は好みません。そしてこの繋ぎの立ち加減。嫌な予感しかしません。馬体や動きも全く好みではなく、矢作先生とは趣味が合わないようです。
そして募集額が5700円とかなり高額です。100歩譲って安ければと思っていましたが、この価格ではスルー濃厚です。キーンランドセプテンバーセールで14万ドルで購入の馬なので、日本円にすると1600万円くらいでしょうか？輸送費もありますので、少し乗っけても3500万円前後かと思っていました。これでは無理です。好みでない上に高過ぎます。
ルックオブラヴの20
販売総額 1,400万円 総口数 2000口
一口価格 7,000円牝 1歳 鹿毛
2020.04.23生 新ひだか産父:ミッキーアイル
母:ルックオブラヴ
（母の父:キングズベスト）美浦新規開業厩舎予定
現時点では成長過程において脚長のスッキリと綺麗に魅せる体つきだが、骨格はしっかりとしており、これから調教を課して当歳時のスタイルに戻っていくなかで逞しさや力感も備わってくるはず。筋肉は良質で柔らかく、前肢の可動域の広さがストライドの大きな走りを生み出し、父の産駒の特長でもある快活なスピードと相まって出色の動きを見せている。おじクレッシェンドラヴ同様、普段からテンションがやや高めではあるものの、まずは初期馴致を従順にクリア。悲運に見舞われた全兄の分まで、大きく強く駆け抜けてもらいたい。適性は芝の1400～1600ｍにありそうだ。
クレッシェンドラヴの姪っ子の登場です。単純にクレッシェンドラヴが好きな人、ハイアーラヴが好きな人は行くべき馬でしょうね。
募集額は予想よりかなり高かったですが、それでも今回の募集馬の中ではかなり安いので手は出しやすいです。
馬体や動きはこれと言って悪いところはない気がします。強調材料もないですが普通に良い馬ではないでしょうか？
この馬は馬体や動きがどうのこうのではなく、血統的に惹かれた人が、問答無用で出資するべき馬だと思います。残念ながらこの血統は私には魅力的ではないので出資は見送ります。
現時点での検討終了です。
今回の追加募集馬は、今までの広尾サラブレッド倶楽部のイメージを変えてきた印象を受けます。
それはもちろん血統の部分が大きいですが、馬の仕入れ方、募集口数、募集額などにも変化がありました。今は一口馬主クラブが非常に人気ですので黙っていても会員は増えます。しかしそんな中でも魅力的なクラブが最終的に勝ち残ります。結局はサービスよりも活躍馬を出すことが1番の販促になります。
安い馬を揃えても勝てないクラブは人気になりませんし、強い馬が多くても欲しい馬に出資出来ないクラブは会員が逃げていくでしょう。
広尾サラブレッド倶楽部の申込み方法は先着順という、ある意味大きなメリットがあります。人気の馬でも欲しい馬に出資は可能です。あとは馬の質さえ整えれば人気クラブになることは必至です。しかし、今回非常に高額の馬を募集してきました。しかも、価格に見合ってる馬かというとそうでないと思う人が多いでしょう。高くても納得できる馬とそうでない馬がいます。これで走らなかった時のクラブのリスクは非常に高いです。何が何でも高額募集馬は実績を残さないといけません。
そういう意味では今後注目するべきクラブです。各クラブが会員を取り合ってる現状で広尾サラブレッド倶楽部がどのような色のクラブになっていくのか。非常に楽しみでもあります。
※広尾サラブレッドクラブ様よりクラブ公式HP等からの画像、動画、情報文の引用許可を得て掲載しております。
